スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン
スティーブ・ジョブズの人を惹きつけるプレゼン術の分析。
プレゼンに限らず日常で人に何かを伝える際にも役立つ。
備忘録として要点まとめ。
もくじ
ストーリーを作る
構想はアナログでまとめる
- プレゼンテーションソフトを開く前によく考えて流れを作る。アイデアは紙やホワイトボードに書く。
- 以下の9要素をできるだけ多く取り入れる。
- ヘッドライン: 一番伝えたいことを短い文(70文字以内)にまとめる。
- パッションステートメント: 「このアイデアが大好きだ!なぜなら・・・」にあたる部分を情熱を持って表現する。
- 3つのキーメッセージ: 相手に伝えたい3つのキーポイントを書き出す。
- メタファーとアナロジー: 例えや異なるふたつのものを比較することでその類似性を際立たせる。例)「コンピュータというのは人類が考えた最高のツールだ。知性の自転車といったところかな。」「地獄の業火に焼かれている人に冷たい氷水をあげてる気分だよ」
- デモ: サービスを実際にみて、触れて、体験させる。
- パートナー: 貢献してくれた人を紹介する。
- 実例と推薦: 顧客の口コミや第三者の評価を紹介する。動画や、本人に話してもらうとなお良い。
- ビデオクリップ: サービスの紹介やインタビュー等、ビデオクリップを導入する。ただし長さは2-3分以内にする。
- 小道具: スライド以外の形でモノを見せる工夫をする。
- プレゼンテーションソフトよりもストーリー作りが重要である。
一番大事な問いに答える
- 「聞き手にとってのメリットは何か?」を意識する。
- ポイントをできる限り明快に伝える。専門用語や業界用語は使わない。
- ポイントはプレスリリースやウェブサイト、プレゼンなどすべてのマーケティング資料で繰り返し取り上げる。
救世主的な目的意識を持つ
- 本当に情熱を注げるものを見つけ、それがどのように暮らしを改善するかを伝える。
- 「なぜやりたいのか?」を1文にまとめ、伝える。
- 世の中をよくしたいという熱意が違いを生む。
ツイッターのようなヘッドラインを作る
- 簡潔で具体的、受け手のメリットを示すヘッドラインを作る。(70文字以内)
- ヘッドラインを繰り返し用いる。
- ヘッドラインは"聞き手にとっての"より良い未来というビジョンを提案するものである。
ロードマップを描く
- 紹介するサービスについて、知って欲しいと思うポイントをすべてリストアップする。
- このリストを分類し、主要メッセージが3つとなるまで絞り込む。
- 3つのキーメッセージそれぞれについて、効果を高めるための体験談、事実、例、推薦等の部品を用意する。
敵役を導入する
- 解決策を提示する前に必ず問題(敵役)を提起する。「なぜこれが必要なのか?」と自問すれば問題は提起できる。
- 時間を咲いて問題を詳しく説明する。痛みを強く感じてもらう。
- 以下の4つの質問に答えられるごく短いセールストーク(エレベーターピッチ)を作る。
- 何をするのか?
- どんな問題を解決しようとしているのか?
- ほかとはどう違うのか?
- なぜ気にかける必要があるのか?
正義の味方を登場させる
- 業界やサービスカテゴリの現状を示し、それがどうあるべきかというビジョンを紹介する。
- ユーザーが痛みを感じるポイントをはっきりさせたら、自分のサービスがどのようにその痛みをやわらげるのか、わかりやすく説明する。
- 正しいと思う問題に対して情熱を持っていなければ最後までかんばりとおせない。
体験を提供する
禅の心で伝える
- 書類、メールなど読まれることが前提出ない場合、箇条書きは避ける。
- 一枚のスライドはひとつのテーマに絞り、それを写真や画像で補強する。
- 見た目が美しいスライドを作れるように努力する。
数字をドレスアップする
- プレゼンテーションの中核となるテーマにはそれを支持するデータを用意する。どの数字を使うのかをよく考え、数字を出しすぎないようにする。
- 数字を聞き手の暮らしに密着した文脈に置き換える。
- アナロジー(異なるものに置き換える)などの方法で数字をドレスアップする。
「びっくりするほどキレがいい」言葉を使う
- コピーの文句は、繰り返し・専門用語・業界用語をなくし、できるだけすっきりさせる。
- サービスの紹介で、大げさな言葉や写実的な形容詞を使って遊んでみよう。
ステージを共有する
- 新しいサービスを発表する前に顧客に試験をしてもらい、発表内容が正しいと証言してもらう。信用のある媒体やブログ等のメディア評価も役に立つ。
- 顧客の声をプレゼンテーションに組み込む。2分以内のビデオが効果的。
- 公の場で社員やパートナー、顧客に感謝する。
小道具を上手に使う
- 短く、魅力的かつ実質的なデモをプレゼンテーションに組み込む。
- デモは全力で行い、楽しもう。
- 目から吸収する人、耳から吸収する人、体から吸収する人、全てに対応する。
「うっそー!」な瞬間を演出する
- 新しい情報や予想外の情報、おもしろいデモ等、予想を裏切る「うっそー!」な瞬間を作り込む。画期的な発表である必要はない。
- 感動の瞬間に向けて十分に盛り上げてから爆弾を落とす。聴衆があとで話題にするような瞬間を用意しよう。
- 爆弾投下は特によく練習しておく。
仕上げと練習を行う
存在感の出し方を身につける
- アイコンタクトを保つ、開いた姿勢をとる、必要に応じて身振り手振りも活用する。
- 抑揚、声の大小、話すスピードなどに変化をつけ、間をとることも大事。
- 自分がしゃべっているところを録画してみる。
簡単そうに見せる
- 何を、いつ、どのように言うのか体が覚えるほどとにかく練習する。つなぎの言葉(「あー」「えー」等)ができるだけ少なくなるように。
- 自分のプレゼンテーションを録画する。最初の5分だけでよい。できれば他人にも見てもらう。
- 以下の手順で厳しい質問への対応を用意しておく。
- 聞かれる可能性が高い質問をリストアップする。
- 想定した質問を「バケツ」(カテゴリー)に入れる。7種類もカテゴリーを用意すればほとんどの質問に対応できる。
- カテゴリーに対するベストな回答を準備する。
- 質問を聞いてキーワードを探す。
- 自信を持って回答する。
目的にあった服装をする
- 今の立場ではなく、こうなりたいと願うリーダーと同じような服装を選ぶ。
- 場の文化に即した服を着る。
台本を捨てる
- でものように何かを順番にしなければならない場合以外は、基本的にメモは使わない。
- どうしてもメモを使う場合は1枚に3点か4点までを箇条書きにする。
- 「1スライド1テーマ」とする。
楽しむ
- プレゼンテーションを「インフォテインメント」(インフォメーション+エンターテインメント)だと考える。学びと娯楽、両方を与え、自分も楽しもう。
- 失敗してもあやまらない。問題に注目を集めてもいいことはない。
- 全体を意識して、小さなことを気に病まない。
- 作者: カーマイン・ガロ,外村仁解説,井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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参考動画
Steve Jobs, "Computers are like a bicycle for our minds." - Michael Lawrence Films
Steve Jobs announces switch to Intel & Podcasting - WWDC (2005)
Steve Jobs Keynote Macworld 2003 SF
Steve Jobs announces iTunes 8 with Genius
CNBC Interview: Steve Jobs 3G iPhone Announcement 06/09/08
Macworld Boston 1997-Full Version
Steve Jobs Introduces GaragBand 1.0 (assisted by John Mayer)
Apple Music Event 2001-The First Ever iPod Introduction
The Lost 1984 Video: young Steve Jobs introduces the Macintosh
Apple Music Event 2001-The First Ever iPod Introduction
1983 Apple Keynote-The "1984" Ad Introduction
Macworld 2007- Steve Jobs introduces iPhone - Part 1
Steve Jobs CNBC Interview MacWorld 2007
Apple iPhone 3G Commercial-Shazam
Macworld San Francisco 2006-The MacBook Pro Introduction
Apple WWDC 2008 - Steve Jobs Keynote: iPhone 3G
Macworld San Francisco 2003-PowerBook 17"+12" Intro (Pt. 1)
Noah Wyle as Steve -- EpicEmpire.com
Macworld 2007- Part 4-Steve Jobs Demos the iPhone
Demoing PhotoBooth (12 Oct 2005)
Steve Jobs Introduces GaragBand 1.0 (assisted by John Mayer)
Steve Jobs showcases Macintosh 24-JAN-1984
Macworld San Francisco 2000-Steve Jobs Becomes iCEO of Apple