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モチベーションをアップデートする方法

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自分自身や組織におけるモチベーション、生産性向上のために!
子育てにも役立ちそうです。
 
 
以下、まとめ。
 
 
①モチベーション2.0の盛衰
コンピュータと同様に社会にも、人を動かすための基本ソフトがある。
ほとんど表面には現れない、全てを司るインストラクションとプロトコルのことだ。
人間の最初のOS<モチベーション1.0>は生存を目的としていた。
その後継である<モチベーション2.0>は、外的な報酬と罰を中心に構築された。
これは20世紀のルーチンワークには有効だった。
だが21世紀を迎えて<モチベーション2.0>は私たちの組織、仕事に対する考え方やその手法とは互換性がないことが明らかになってきている。
アップグレードが必要である。
 
②アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
アメとムチが人間の第三の動機付けと出会うとき、奇妙なことが起こる。
従来の「交換条件付き(こうしたら、これをあげる)」報酬を提示しても、成果は期待したほど得られない。
内発的動機付けを消滅させ、成果を減少させ、創造性を破壊し、人間の好ましい言動を阻害するからだ。
また、望まない現象が現れてくる。
つまり、時として反倫理的行動を助長し、依存を生み出し、短絡的な考えを促す。
これらは、現在稼働しているOSのバグにあたる。
 
③アメとムチがうまくいく特殊な状況
アメとムチが常に悪影響を及ぼす訳ではない。
規則的なルーチンタスクなら、これは効果を発揮する。
内発的動機付けも、破壊される創造性も、この種の仕事にはほとんど存在しないから悪影響を受けない。
そのうえ、仕事の必要性の根拠を示し、それが退屈な仕事だと認め、望む方法でその仕事を完成させる自由を相手に与えた場合には、このアメとムチがいっそう効果を発揮する場合もある。
非ルーチンで構想の必要なタスクにとって、「交換条件付き」報酬はとくに危険である。
しかし、「思いがけない」報酬(業務が完了してから与えると決める、交換条件付きではない報酬)なら、創造性が必要で右脳を使う仕事にも有効な場合がある。
とくに、仕事の成果に対して有益な情報を与える類いの報酬ならなおさら効果的だ。
 
④タイプIとタイプX
<モチベーション2.0>はタイプXの行動を前提にし、これを助長する。
この行動は内発的な欲求よりも、外発的な欲求を活力の源とし、活動から満足感を得るというよりも、活動によって得られる外的な報酬と結びついている。
一方、<モチベーション3.0>は21世紀のビジネスを円滑に機能させるために必要なアップグレード版で、タイプIの行動を前提にし、これを助長する。
タイプIの行動は、活動によって得られる外的な報酬というより、活動自体からもたらされる内的な満足感と結びついている。
仕事で成功を収め、プライベートを充実させるためには、自分も職場の仲間も、タイプXからタイプIへと移行する必要がある。
幸いにも、タイプIは生まれながらの資質ではなく、後天的に培うことができる。タイプIの行動は、パフォーマンスの向上、健康の増進、全般的な幸福度の上昇につながる。
 
 
2. <モチベーション3.0>3つの要素
①自律性
私たちの「初期設定」は、自律的であり自己決定的である。
ところが、あいにく種々の事情(「マネジメント」という時代遅れの概念も含む)により、この設定は変更され、タイプIからタイプXへと私たちを変える。
タイプIの行動を促すために、さらにはタイプIの行動によって大きな成果を生み出すために、最初に必要とされるのは自律性である。
課題、時間、手法、チームについて自律性が必要だ。
大きな自立を与える会社は、競合他社よりも高い業績を上げる。
 
②マスタリー(熟達)
<モチベーション2.0>では、従順な姿勢が求められたのに対し、<モチベーション3.0>では積極的な関与が必要とされる。
積極的に関与して初めて、マスタリー(何か価値あることの上達)を生み出せる。
マスタリーの追求は重要でありながら第三の動機ではあまり機能していない部分なのだが、経済発展において必要不可欠である。
マスタリーは「フロー」で始まる。
フローとは、取り組んでいる課題が本質的に自分の能力と整合している場合の最適経験のことだ。
賢明な方針をとる職場では、日々の活動を難しすぎず、易しすぎない業務、すなわち「ゴルディロックスの仕事」で補強している。
ただしマスタリーには3つのルールがある。
まず、マスタリーはマインドセット、つまり心の持ち方次第である。
能力は固定的ではなく、無限に向上が可能だと理解することが必要だ。
次に、マスタリーには苦痛が伴う。
マスタリーには、努力、根性、意図的な訓練が必要となる。
最後に、マスタリーは漸近線である。
完全にマスタリーを実現することは不可能だ。
だからこそ、もどかしいと同時に魅力的なのだ。
 
③目的
人間は、本質的に人生の意義や目的を探すものだ。
自分以外の人、もの、社会などの利益に貢献する永続的な目的を求める。
だが従来の企業は、長年にわたり目的を飾りとみなしてきた。
重要事項の邪魔にならない限りは、見栄えの良いアクセサリーにすぎなかった。
だが現在、これは変わりつつある。
一つには、自分たちも死を免れないことに気づいた、老いにさしかかったベビーブーマー世代が増えてきたおかげである。
<モチベーション3.0>では、願望の対象や指針として、目的の最大化が、利益の最大化と並んで認められている。
組織の内部で、この新たな「目的という動機」が、三つの方法で姿を現している。
一つは、利益を手段として目的を達成しようとする目標設定において。
二つ目は、自己の利益以外を強調する言葉において。
三つ目は、自分の思い通りに目的を追求できる指針において。
利益の最大化に目的の最大化を加えるという決定は、企業の活力を復活させ、世界を再編させる可能性がある。
 
 
著者 ダニエル・ピンク氏のTEDトーク

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

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